富士山 情熱と静寂 徐(しず)かなること林の如く 動かざること山の如し 武田信玄・風林火山
日本一の標高を誇る富士山は日本人の心の拠り所と言っても過言ではありません。
登山目的としてはもちろんのこと、観光目的などでも数多くの方が訪れます。信仰としての富士山でもあります。
初日の出には多くの登山者が山頂で手をあわせます。
2013年に世界文化遺産に登録されてからは、海外からの観光客も多くなりました。
地方を代表する山にも「富士」を付したものがたくさんあります。
「ふるさと富士」とも呼ばれるもので、その数は400以上にのぼります。どの県にもひとつやふたつは✕✕富士と呼ばれる山があります。
それまで富士山は平均して100年に1度噴火していましたが、これまで300年以上も鳴りをひそめています。
現在の富士山は静穏な状態にあり、警戒レベルは最も低い状態にあるとか。
311年前の1707年12月16日(太陽歴)午前10時頃、富士山は南東斜面から大噴火し、噴煙は上空2万mまで立ち昇りました。
この噴火は「宝永噴火」と呼ばれ、その痕跡は「宝永火口」として今も残っています。
当時は大量の噴石や江戸への降灰があったとされ、今、噴火が発生すれば人的・経済的な被害は甚大となる恐れがあります
富士山は
「噴火するか・しないか?」ではなく、
「いつ噴火するか?」が注目されているのです。
噴火時の被害予測
【人的被害】
噴石等の直撃で約1万3600人が死傷【建物被害】木造家屋が約280〜700戸倒壊【鉄道】
車輪やレールの導電不良による障害や踏切障害等により、東京・神奈川・千葉・静岡等で線路延長は最大で約1800kmが混乱します。【航空】
大気中の火山灰により、羽田・成田など6空港で1日あたり515便、約21万9000人に影響します。【観光産業】降灰により東京・神奈川・千葉・静岡等で観光需要が減少します。【その他の産業】
交通障害や停電などで、東京・神奈川・千葉・茨城・静岡では産業活動が停滞します。以上は降灰による被害想定ですが、そのほかにも洪水や土石流による建物被害や農作物被害が出ます。合わせて被害総額は約1兆2000億円〜約2兆5000億円と試算されています。噴火のパターンにより被害も違いますが、いずれにしても甚大な被害が予想されます。